スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
【--/--/-- --:--】 | スポンサー広告 | page top↑
8chのくいしん坊!万才3
8chのくいしん坊!万才


 ……とにかく腹が減っていた。

 今日は朝から何も食べていなかった。
 朝イチに家を出てから、予約していた施設の見学、父親の見舞い、日課のボウリング。
 それらをこなし終えた頃には、時計の針は十四時を指していた。
 ……どうりで腹ペコな筈である。





家に帰ったら


 『家に帰ったら、何を作って食べようか……』
 そんな事を考えながら、私は自宅に向けて車を走らせていた。

 通いなれた行きつけのボウリング場からの帰路。
 国道24号線はいつものように混んでおり、ゆっくりとした速度でしか走れない。
 目の前に広がる車列にうんざりしながら、私は気を紛らわせる為、自宅に常備してある材料から何が作れるか考えてみた。

 インスタントラーメン、スパゲッティ、ざるそば、釜揚げうどん……。

 麺類ばかりであることに、多少ゲンナリとした。
 麺類が嫌いというわけではないのだが、正直どれも食べ飽きているので、食指が動かない。

 どうするか、いっそ帰り道にどこかへ寄って外食で済ませてしまおうか?
 そんなことを思案しつつ、ふと視線を道路の脇に逸らせると――




おや?





麺屋たけ井


 見慣れないラーメン屋があった。
 外見から察するに、最近開店したばかりの店らしい。
 店の名前は『麺屋たけ井』。
 個人名らしき名前を冠してあるその店名に、興味をそそられた。
 また、オープンして間もないというのも良い。

 先ほどまで自宅で作れる食材が麺類のみであることに辟易していたのも忘れ、私はそのラーメン屋の駐車場に車を乗り入れた。


暖簾をくぐる


 「いらっしゃい!」

 暖簾をくぐると若い女性の店員が歩み寄ってきた。
 「まずはこちらで食券をお買い求め下さい」
 示されたところを見ると、確かに券売機が置かれている。
 なるほど、この店では食券と引き替えにラーメンを提供しているのか。
 最新式である。

 券売機の表示を見る。
 ラーメンが二種類、つけ麺が二種類の計四種類。
 双方ともに味玉有り、無しの違いである。
 大きさは小と並。
 大は売り切れになっていた。

 「オススメは、なんですか?」

 評判すらもわからない、初めての店である。
 ここは素直に店員に聞いてみることにした。

 「うちではつけ麺がオススメになりますね」

 なるほど!
 つけ麺がオススメなのか……。
 つけ麺並が850円。
 結構いい値段だ。
 味玉つきが950円か……。

 「味玉もオススメですよ」

 ……。


今回スルー


 券売機に金を投入し、ボタンを押す。
 出てきた食券は『つけ麺並』。
 その食券を店員に渡し、店の中へ足を踏み入れた。

 店内は外見から想像できたとおり、非常にこじんまりとした感じの造りだった。
 カウンター席が6席ほど。
 4人掛けのテーブル席が2組。
 十数人ほどで店が一杯になる計算である。

 午後の遅い時間であるにも関わらず、客が5人ほどいた。
 スーツ姿のサラリーマン風の男が3人、私服の若者が二人。

 好きな席に坐っても良いと言われたので、テーブル席に一人で坐り、つけ麺が出来るのを待つ私。

 もう片方のテーブル席に坐る若者二人組みが仕切りに店員に質問していた。
 「つけ麺も普通のラーメンも、同じ麺を使っているんですか?」
 「持ち帰りすることも出来ますか?」
 などなど。

 質問が出るということは、余程にここのラーメンが旨かったと見える。
 期待、大である。

 待つ事10分程。


つけ麺並


 待望のつけ麺登場。
 当然のことながら、麺とつけ汁は別の容器に盛られている。
 麺は見た限り自家製の太麺。
 つけ汁は濃厚な色を湛えており、ネギがふんだんに入っていた。
 器には海苔が2枚。
 この黄色いものはなんだろう?
 色が濃くて中身が見えないが、つけ汁の中にはチャーシューなどの他の具材が隠れているのかな?

 想像はいろいろと尽きないが、兎にも角にも食してみよう。


コシのある太麺






もぐもぐ






うん!イケる!


 太麺は見かけ以上にコシがあり、弾力性に富んでいて噛み応え十分。
 例えるなら讃岐うどんのコシと等しいといったところか。
 麺単品を噛み締めるだけでも、食事をしている喜びを覚えそうな感じである。

 肝心のつけ汁との相性だが、これが抜群に良い!
 太麺の場合、つけ汁の味付けや濃さによって、麺とスープの相性の良し悪しが出てくるものだが、このつけ麺は驚くほどいい塩梅で麺の風味とつけ汁の味が絡まりあう。

 この太麺にジャストフィットするつけ汁のスープ。
 それ単品での味はどのようなものなのだろうか……?
 余程に濃い味付けだろうとは予想できるが、どのような味付けなのだろうか。

 さっそく、スープに口を付けてみた。


魚介豚骨ベースのスープ





ズズゥゥ









!?



 なんだこれは…ッ!

 いままで、飲んだ事のないような味である。
 濃厚で奥行きがある味わい。
 味が濃いことには濃いのだが、『辛い』という印象がまったくせず、『深い』という言葉が先に出る。
 後味は不思議と爽やかであり、いくら飲んでいても飽きが来ない。
 ……そうか、ネギに混じっていた黄色いもの、あれは柚子か!
 元来、こういった味の深いスープは後味がくどく独特の風味がある筈なのだが、この柚子のおかげでその双方が緩和されている。
 これは、素晴らしい……。
 白ご飯があったならば、その上にぶっかけて食べたくなるような味である。
 そう、天下一品のこってりラーメンのスープのように。

 この旨味が凝縮したようなつけ汁の正体は一体なんなのだろう……。

 ※帰宅後に調べてわかった事ですが、このスープ、魚介豚骨系のスープだったそうです

 …いや、考えるのはよそう。
 食事は、考えて食べるのではなく、感じて食べるものだ。


 まずはつけ汁に漬けずに、素のままの太麺を口に運ぶ。

 (もぐ、もぐ…)


もぐ、もぐ


 口のなかで歯ごたえのある弾力が個性を主張しているのを、楽しむ。

 次に蓮華でつけ汁を口に運ぶ。

 (ズズズ…)


ズズズ…


 程よく噛み砕かれた麺と、濃厚なスープが絡まりあい、えもいえぬ味わいが口の中に広がる。

 (ゴクリ)


ふぅ


 飲み込んだ次の瞬間には、また口に運びたくなる。

 時には太麺をつけ汁にどぷりと漬けて食べ、時には太麺とスープ、それぞれ別で食べる。
 そんな事を交互に繰り返しつつ、食を進めていると、ある一つのことに気がついた。


しまった

 
 この深い味わいのスープと煮卵のコラボレーションを、非常に味わいたくなってしまった。
 しかし追加注文しようにも、麺を八割がた食べつくしており、つけ汁もほとんど残っていない。
 ……うーん、今回は諦めるか。






厚切りのチャーシュー


 残り少ないつけ汁の底を漁ってみると、思いもかけずチャーシューと遭遇。
 厚切りで肉感十分なラーメンの御大将のご登場である。


はふはふ






ウンうまい


 チャーシューとしては一般的な味付けだが、やはりこれもスープと合わせて食べると抜群に旨い。
 さすがは遅れてきたラーメン界の主役なだけはある。


 残りの麺を食べ終わると同時に隠れていたチャーシューも全て平らげてしまい、残りはいよいよスープだけとなった。

 「スープ割り、お入れしましょうか?」

 と、そう声を掛けてくる店員。

 スープ割り?
 ああ、つけ汁を薄める出汁のことか。

 当然二つ返事でOKを出し、つけ汁に出汁を入れてもらった。

 程よい色に薄まったつけ汁を、ゴクリと飲む。
 …素晴らしく旨い!
 食事の締めとしては、文句ない一品。
 ゴクリゴクリとあっという間に飲み干してしまうと、溜め息と共に言葉が洩れた。



 「ああ、うまかった…」






閉店


 私が店を出た直後、暖簾が仕舞われ、店の前には『麺切れ終了』の看板が置かれた。
 今日最後のお客だったというわけだ。







シュボッ






今度来るときは

【2011/01/27 01:40】 | 雑記 | トラックバック(0) | コメント(4) | page top↑
| ホーム | 裏切りは万死に値するよね>>
コメント
携帯から書いたコメントが消えてる ι(´Д`υ)
【2011/01/28 03:04】 URL | 麻美 #uoSKjgR6[ 編集] | page top↑
なんだか8ch、幸せそうだねぇ…

はやく結婚しなよw
【2011/01/28 10:24】 URL | はげ #-[ 編集] | page top↑
このコメントは管理者の承認待ちです
【2011/02/28 22:29】 | #[ 編集] | page top↑
このコメントは管理者の承認待ちです
【2011/03/12 11:56】 | #[ 編集] | page top↑
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバックURL
http://8ch.blog9.fc2.com/tb.php/384-f2f2f782
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
| ホーム |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。